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株式会社 神明アグリイノベーション

安定よりも優先させたかった充実の日々(前編)

「兵庫県は神戸市の出身です。大学は北海道なのですが、就職の際に兵庫県に戻って土木系の公務員として働いていました。卒業してからずっとですので、勤続は12年。公務員はみなさん勤続年数が長くて、同期が17・8人いたんですが、1番最初に辞めたのが私でした」。新卒から3年や1年での退職者も少なくない時代に勤続12年が同期で最初の退職者。それほどまでに前職は安定していたとも言えるが、「安定はしてましたよね。でも…」と続ける鈴木利哉。神明アグリイノベーションに参画し、一期生として就農に取り組む鈴木が「安定」よりも手にしたかった「充実」の毎日。「楽しいです!」と言い切るその笑顔には希望が満ちていた。

そのまま安定を選ぶこともできたと思いますが、そこから農業を志したのは

自分の性格と公務員の仕事が、本当に合っているのだろうかと疑問に思うことがありました。改めて自分にはどんな仕事が向いてるんだろうと自己分析してみて、いわゆるサラリーマン的な仕事よりも、自分である程度考えてできる仕事の方が合ってるんじゃないかというのが、まず1つ。そこでどんな仕事があるんだろうと考えて、性格的にモノを作る仕事がしたかったというのがありました。農業って食べ物を作る仕事なんですよね。食べ物を作って人々の生活を支えている。そういう何かしらモノを作って、人々の生活を支える仕事がしたいというのはずっと考えていました。大学で工学部にいって、土木の道に進んだのも根本は同じなんです。

衣食住で食を支えるか、住を支えるか

そうなんです。モノ作りをして生活を支えるのは、土木も農業も一緒なんですよね。それで、きっかけと言えるものはそれほどないのですが、1年、1年と積み重ねていって、定年の60歳までとなると、あと30年弱くらい。そこまでこの仕事をずっと続けるかと考えたときに、もっと他の仕事があるんじゃないかなと思うようになり、まず家族に相談しました。「仕事辞めて農業の道に進もうと思うんだ」というのを話して、そこは親も「やりたいことをやりなさい」と言ってくれました。

農業を始めるにあたって、まずは何を

就農体験イベントがあり、いくつか参加していました。いろいろと候補を探していたんですけれども、神明アグリイノベーションを立ち上げた際の『次世代の農業者を育成します』という新聞記事を見つけまして、そこからホームページを見て「日本の食を支える」というビジョンに共感したところです。また「経験がなくても大丈夫」「経験がなくてもいろいろサポートします」というのも、自分が目指している方向性と合っていて、これはいいなと思い応募しました。あとは基本的に作ったものは神明さんに卸すというところですね。売り先を全くのイチから探すとなると、なかなかハードルが高いなと考えていたので、そこを神明アグリイノベーションにサポートしていただけるのは魅力的でした。

就農してみないとわからないハードルではないかと思うのですが

そこは調べました。全く未経験の人間が農業を始めるとなったときに何が問題になるのか。そうですね、やっぱり1番のハードルになるのはそもそもの土地。もう土地がないことには何もできない。いきなりヨソ者が来て「土地を貸してくれ」というのはなかなか難しいですよね。そこで間に神明アグリイノベーションに入ってもらえると、貸す方の地主さんとしても安心だし、お互いメリットがあるというのは思いました。そういう条件が整っているところは、なかなかなかったんです。

神明アグリイノベーションでは加須市という土地がある

市からのバックアップもあり、先輩の農家さんもいる。土壌がかなり用意されているところは魅力的でした。関東には住んだこともなくて、全く知らない土地ですから、もちろん不安はあったのですが、どうせ農業やるんだったら広い土地があるところがいいなと考えていたんです。北海道でもよかったのですが、なかなか思っていた条件に合致するところがなくて。埼玉は関東平野じゃないですか。だから圃場がすごく広くて、農業をやるとしてもある程度の規模でできて、農業1本でなんとか食べていけるまでにはなれるかなあと。

公務員として働かれていたときの、主なお仕事というと

いわゆる土木工事の設計と監督が主な仕事ですね。例えば川の護岸をなおす工事が必要なときに、設計書を作って、発注して、業者さんと契約して、工事を実際ちゃんとやっているかというのを監督する。そういう仕事でした。

そういった仕事から農業の世界に入られてどうでしょうか

楽しいです。今のところ、自分に合っているなって、気持ち的な面でも充実しています。公務員を含め、サラリーマンは組織の意向があくまで最優先じゃないですか。常に時間に追われているみたいな感じがして、自分の裁量も意外と狭いですし、仕事として面白くないなというのがきてしまって。それに比べると、農業では自分の裁量が大きくて、今は全く知識も経験もないですが、いずれは自分で考えて決められるようになるんだろうなというのは感じていて、ワクワクしています。

後編 へ続く →

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