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株式会社 神明アグリイノベーション

安定よりも優先させたかった充実の日々(後編)

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「旅行ですね」。趣味を尋ねると間髪入れずに即答してくれたがこれは予想通り。「関西にいたときは京都や奈良にしょっちゅう行ってましたし、お寺とかを巡ったりするのも好きなんです。北海道も大学の4年間でほとんど回り尽くしました。旅行サークルに入っていたんです。みんなでハイエースに乗って、寝袋持って転々として」。決まり切ったルーティンワークより自分で考えることが好き。言葉の端々に感じられたチャレンジ精神から、アタリをつけてはいたのだが、予想を超える旅行好きであった。未知の世界に飛び込んで、荒野を開拓し畦道を突き進んでいく。なるほどぴったりの趣味なのかもしれない。

海外へ行ったりはしなかったですか

大学時代には行ってましたね。公務員になってからは長期の休みも取れなくて、海外はなかなかハードルが高くなってしまったのですけど、大学ではまるまる1ヶ月ヨーロッパに行ったりとかしていました。アジアだとフィリピンと台湾と韓国をまわったりですね。今はカレンダー通りの勤務なので、そこまで長期のお休みは取れないと思っているんですけど、もし独立できたら「ある時期はちょっと時間が空く」というのがわかるようになるんじゃないかって考えています。そこで、少し遠いところに行ったりしたいですね。

兵庫や北海道、旅先でもたくさんの土地を回られたと思いますが、加須市や埼玉でお気に入りの場所はできましたか

まだそんなに埼玉県の隅々まで回ったわけではないですけど、埼玉に来て最初に秩父に芝桜を見に行ったんですよね。それがすごい綺麗でした。その帰りに長瀞渓谷にも立ち寄ったのですが、そこもなかなか風光明媚で素晴らしかったですね。

これまで公務員として働かれてきて、農業に繋がっていると感じるところは

段取りの取り方だったり、人との話し方でしょうか。地元の人を相手に話をする仕事だったので、そういうときに、こういうことは話してOK、こういうことは話しちゃダメ、こういうことを言うと怒っちゃう人がいるとか。いろいろな失敗を積み重ねてきましたが、そういう経験があってよかったなというのはありますね。それは農業に限らず、どんなことでも役に立つんじゃないかなと思います。

ではイチから農業を始めて驚かれたことは

だいぶイメージ通りだったので、あまりないんですよね。本当に地道にやるしかないと元々思っていたので。実際に今やってみても、日々耕したりとか除草したりとか、そういうことを積み重ねてきたんだろうなというのはイメージ通りです。でもやっぱり覚悟していたとはいえ、体を動かして重いものも持ったりする仕事なので、まだ慣れるまでは体がしんどいですね。毎日家に帰って風呂入って、ごはん食べたらもうあとは横になってるみたいな、そんな感じです。もう体が疲れて、おかげさまで本当にぐっすり眠れるんですよ(笑)。

1日のお仕事としては

例えば今日だと小麦の収穫時期なので、麦を収穫したあとに残っている草を刈る作業でした。だいたい毎日朝イチで、今日はこういうことをしなくちゃいけないから、誰々はこれに行こうとか、この作業をしようとか、今日は午後の天気があんまり良くないようだから、午前中にこれ終わらせちゃおうとか。そういうことをみんなで話し合って決めて、それぞれでやることが決まったら、各自でそれをやっていく。終わりの時間はまちまちですが、だいたいは5時くらい。今みたいに収穫時期になってくると、時間だからといってキリの悪いところで終わらせるのもかえって効率が悪くなったりします。そうなると、圃場のキリのいいところまでとなって、どうしても時間的にはちょっと後にずれ込んだりはするんですが、それはもう仕方ないことですからまったく苦ではないですね。

今後の将来的な目標は

当面の目標は独立して、それなりに食べていけるまで、具体的には世間の平均年収くらいが稼げるようにはなりたいなと思います。なかなか農業1本でそこまで稼げている人がいないそうなんです。まわりの話をいろいろ聞いてると農業だけじゃやっていけないから兼業という人が多くて。そうなると農業も片手間で普通の仕事も片手間になってしまっていて、僕はどちらかかに集中したい。どうせやるんだったら農業1本で食べていきたいですし、まずはそれくらいの収入が得られるようになれたらと思います。

応募を考えられている人へのメッセージを

まず、機械や運転が好きな人にはおすすめです。デカイ機械に乗れる仕事ってそんなにないですよ。トラクターとかに乗っているのはすごい楽しいんです。それで、そういう機械を運転したりメンテナンスしたり、機械を使ってバリバリと収穫して、出荷して、そういう自分の作ったモノがちゃんと売れて、誰かの手に行き渡ってる。まだ自分はそこまでやったことないのでわからないんですけど、そうやって自分の作ったモノが売れて、誰かの胃袋に入っている。それこそが農業をやっている大きな意味、意味というか意義の1つなんだろうなと思うんです。そのなかで、こういうことをやれば効率がいいなって自分で考えて、その通りにうまくいって、ちゃんとうまいこと作物ができて、ちゃんと出荷もできて。そういう達成感がやっぱり農業のやりがいの1つなんです。そういうところが味わえるのは、農業の大きな魅力だと思います。

安定よりも優先させたかった充実の日々(前編) 安定よりも優先させたかった充実の日々(後編)

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