耕すフィールド。父と共に描く未来(後編)
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「上手いというわけではない」と言いながらも、所属してきたのは「街クラブの雄」と言われるチームや関東大学リーグの強豪校。ジュニアユース世代では全国大会も経験し、かつてのチームメイトや対戦相手にはプロの舞台で活躍する選手も多い。プロを目指し、フォワードとして泥臭くプレーしてきたが、「怪我もありましたし、人間関係でも疲れてしまって」と諦めたサッカーの道。「農業は楽しいですし、仲良くなるのも早いから人間関係も最高ですね」。農地を新たなフィールドに再起をかける。
怪我をされたのは
左足の前十字(靭帯)を高校1年のイタリア遠征で切って、復帰まで半年くらいかかりました。遠征の最初の試合中に怪我をしてしまったので、残りの1週間くらいはほとんど見学です。サッカーをやめたのは怪我もありますけど、やっぱりメンタル面のほうが大きいかもしれないですね。練習していても、どんどんどんどん嫌になってしまって。
サッカーをしてきたことは役に立っていますか
肉体的にはまだまだ余裕がありますし、無駄ではなかったと思います。追肥を撒くときに機械も含めると20キロくらいになるんです。中干しって言って、水を抜いて土が乾いた状態で撒くんですけど、たまに水が抜けきってない、ぬかるんだ状態のときもあります。そういうときにその20キロを背負って田んぼの中を歩くのはけっこう辛いんですけど、体力的には大丈夫ですね。
神明アグリイノベーションに入社してから1番大変だったことや楽しかったことは
名刺の渡し方ですかね(笑)。ビジネスマナーは全然わかりませんでしたが、教わったり自分で調べたり、なんとか渡せるようにはなりました。逆に楽しかったことは、ほんとに毎日が楽しいので選びにくいんですが、楽しみなことは作業もそうですし、作業が終わったあとにお酒飲んだりというのが最高ですね。
何年後に実家に戻ったり、独立したりという予定は
2年後くらいには独立したいです。まずは自分で立ち上げて、実家も見つつという感じで、しばらくは一緒にやっていくと思います。楽しみですね!
農家としてのベースがあって、よかったと思いますか
これをイチから始めるのは途方もないことだと思います。実家にいるときからも、これをイチから集めるのは大変だと感じていました。だから破産しないように、続けられるように頑張らないといけないんです。できればお嫁さんももらって、長く続けられるように。神明さんがお嫁さんも探しもしてくれるといいんですけどね(笑)。農家専用の婚活マッチングアプリみたいなものないですかね。
お嫁さんに希望するところは
容姿の好みとか希望とか言ってしまうと高望みって言われちゃいますから、農業に興味のある人であればどなたでもいいんです。農作業も別に手伝ってもらわなくても大丈夫ですし、できれば手伝ってもらえたらというくらい。好きな女優さんですか?三吉彩香さんです。年の差は4歳くらいまでが理想ですね。もし、このインタビュー見てる人で少しでもいいなっていう人がいたら連絡ほしいです。真剣にお嫁さん募集中です。
では改めて農業を志す人にメッセージを
農業は体験してみなくちゃわからない。とりあえずトライして、なんでも調べるだけで終わってしまう人も多いと思いますが、そこで1歩を踏み出せたら新しいことにつながります。それで「俺には合わなかったわ」となるかもしれないですけど、何事もやってみなくちゃダメですし、とりあえず挑戦してみたら新しい世界にも出合えるんじゃないかなと思います。
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